−歌パロShort story− ロード全章SS
ロード 〜第二章〜
by Sin
思い出される、悠子との日々・・
悠子と出会ったあの日・・最高の幸せを感じた。
それは、俺にとって初めての・・最高の恋だった。だけど・・
あの日、あの時、君と出逢わなければ・・こんなに悲しむ事はなかったんだろう・・
でも・・逢えなければ・・もっと不幸せだった・・
「亮治・・私達・・お父さんやお母さんになっても・・お爺ちゃんやお婆ちゃんになっても・・ずっと・・ずっと手を繋いでいるような、素敵な2人でいようね」
「ああ」
「絶対だよ?」
「分かってる。絶対にそんな2人でいよう」
「うんっ」
微笑んで俺に抱きついた悠子。
本当は、ちょっと照れくさかったけれど・・
あの誓い・・とても大切な誓いだった・・
でも、今となっては・・遠い昔の・・思い出の物語でしかない・・
あれから毎日のように訪れているこの道も・・乗り続けるこの車も・・そしてこの情景だって、あの夜と同じままなんだ・・
ただ・・俺の横で眠っていたはずの・・悠子・・君だけが・・いない・・
「私・・幸せになるからね・・」
そう言って実家を出るはずの朝・・
悠子は箱の中、独りぼっちで花に囲まれて・・まるでフランス人形みたいだ・・
仮縫いのままの白いドレスを着た悠子はとても似合っていて・・
俺も白のタキシードに身を包み、約束していた揃いのリングを・・
冷たい指に飾った・・
2人で買っておいた子供の洋服・・
「男の子か、女の子か分からないんだもの。両方買っておかなくちゃ。ねっ」
そんな事を言って笑っていた悠子のお腹の上に、一度も袖を通す事の無かった子供服をそっと重ねた。
いつか・・悠子と一緒に・・生まれ変わって欲しいと願いを込めて・・
季節外れの雪に埋もれたバージンロード。
どこまでも続く、長い人の列は悠子との最後のお別れに来ていた・・
あの日、あの時、君を失っていなければ、こんなにも悲しむ事はなかったと思う。
でも逢わなければ、もっと不幸せだったんだ・・
だから・・
俺は感謝しよう・・君と出会えた事を・・
こんなにも悲しむ事になってしまったけれど・・
君と出会い・・恋をして・・・結ばれた事・・
その全てが・・俺の宝物だから・・
何度も繰り返された何でもないような事が、幸せだったと思う・・
そんな何でもない夜・・あの夜には・・二度と戻れない・・
戻る