−Short story−
涙は風の中に…
by Sin
あの日、あいつを失ってからどのくらい経つのだろう……
もし、あいつを一人きりにしなければ…
もし、家まで送っていれば……
もし……帰りたくないと言ったあいつを帰さない勇気が俺にあったなら……
いくら悔やんでも悔やみきれない……
今でも……信じられない……
あの、帰り際に見せた寂しそうな微笑みが……
まさかあいつを見る最後になるなんて……
あの日…
俺の部屋を出てから駅までの間に、あいつは轢き逃げされて…命を落とした……
未だに捕まらない犯人……
だが、俺は絶対に諦めない……
必ず……あいつの仇を取る……
そして俺はまたバイクに跨って夜の街を走る。
復讐……
あいつがそんなこと望まないのは百も承知だ……
切り裂く風の音があいつの泣き声に聞こえる……
だが、俺は走り続ける……
たとえどんな奈落に落ちようとも……
あいつともう一度出会える……その日まで………
戻る TOP