Short Short 劇場
≪梁 明≫様 Ver.
第18幕
『クトゥルー』
すどおおおおんっ!!
レムリアインパクトで扉を吹き飛ばし、デモンベインはクトゥルーの中心部へと突入した。
「うっ……すげぇ……」
「うむ、これほどの瘴気では気を抜くと中てられるぞ」
「判ってる。気合いを入れていこうぜ」
九郎とアルが顔をしかめた。
中は広大な空間。そこには機械神が二体もいるが、それでもなおかつ、そいつらが小さく見えるほどに広いのだ。
まさしく血の海としか言いようのないモノに満たされ、中央にある巨大な心臓のようなモノ……それらが圧倒的なまでの腐った瘴気を放っているのだ。そう、アーカムシティに放たれた恐怖の“声”とともにまき散らされた瘴気が、少なくとも空気清浄機を通したように感じてしまうほどの、絶望的な腐りただれた空間だった。
「ふははははははは。とうとうここまで来たな、大十字九郎」
「見事だ。見事だよ、大十字九郎くん。
我々もまさか、まさかここまでたどり着けるとはと、感心しているよ」
二体の機械神の上でデモンベインに話しかけている者は、ウェスパシアヌスとアウグストゥスだ。
いよいよアンチクロスの大物が二人がかりで出てきた。だが、デモンベインからの声が全くない。訝しむ両名。
「なあ、アル……」
「なんだ、主……」
デモンベインの二人は、目の前にある光景に呆然となっていた。その証拠に、声に張りがない。
「これはどう見ても、アレだよな……」
この広間にある心臓を指さす九郎。
「確かにアレだな……」
同調するアル。
二人の声が期せずしてハモった。
「ステーキ肉」